カルチャー

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清元院
訪れた帰り道、なんだか心が軽くなったような気がした。
以西地区にあるお寺「清元院」にはそんな不思議な魅力が溢れている。


人に伝える力を活かす。

清元院の17代目住職を務めるのは井上英行さん。鳥取県に生まれ、26年間の教師生活を経て先代を引き継ぐ形で48歳で住職となった。
右も左もわからない世界に飛び込んだ当初は、とにかく先代がやっていたことを再現することに注力したそう。
手探りで日々の法要や寺務に取り組む中で気づいたのが、参列者への説明と参加意識の重要性。
読経や作法ひとつひとつの意味を理解してもらった上で参加してもらうことが重要とのこと。
長年の教師生活で培った、人に伝える力を活かし、皆にわかりやすく、誰もが安心して参加できる法要へと変えていった。

交流が生まれるお寺へ

「お寺が地元の人と地元じゃない人の縁を結ぶきっかけとなりたい」と語る井上さん。定期的に開催する「坐禅会」や「写経写仏切仏の会」をはじめ、「お寺ヨガ」や「お寺deサウナ」など伝統と新しさが融合するさまざまなイベント企画。
今では、老若男女、地元民の枠を超えた多くの人が清元院に集い、交流が生まれている。
また地元から離れて暮らす人が増える昨今、お寺での集いが、なかなか会えない人との縁を結び直すきっかけにもなっているようだ。
「縁をつなぎ安心をとどけるお寺」の看板が掲げられた、清元院の山門。その門は、皆の心が安らぐ場所として、いついかなる時でも開かれている。