氏名 万代 裕貴(左)
氏名 万代 渚(右)
裕貴さんの出身 岡山県和気郡和気町
渚さんの出身 鹿児島県霧島市
移住年 2023年
年代 20代
家族構成 夫婦
職業 クラフトビールの醸造
琴浦暮らしをはじめるまで
2018~2021年 機械工具の商社に勤める。
2021年 キャンピングカーで日本一周をおこなう。
2021年~2023年 夫婦で福岡県に移住。裕貴さんはクラフトビールの醸造所に勤め、渚さんは求人広告会社でライターとして活動。
2023年~ 夫婦で琴浦町に移住し、徳万尻日乃本麦酒でクラフトビール事業に取り組む。

なぜ、琴浦町に移住を?

裕貴:小さい頃から、没頭して何かを作り続けることが好きな性格で。自分のブランドが作れることを知り、クラフトビールの業界に入りました。福岡県でクラフトビールの醸造について2年間学んでいた時に、今とは違う醸造所で更に経験を積むか、自分で新たに立ち上げるか、迷っていたんですね。そんな時に「いいところがあるから見てみない?」と、いくつかの醸造所を案内していただき、その内の1つが琴浦町の酒房 銀だったんです。その当時、酒造免許を取得したオーナーの嶋崎さんが酒房 銀の建物内に「徳万尻日乃本麦酒(トクマンジリヒノモトバクシュ)」という屋号の醸造所を作り、クラフトビールの醸造と居酒屋の運営をおこなっていました。しかし、両立させるには体力的に大変だったそうで、オーナー嶋崎さんとの面談を重ね、ぼくがクラフトビールの醸造などの業務を手伝わせていただく形で、徳万尻日乃本麦酒の醸造責任者として琴浦町に移住をしました。また、全国にある数カ所の醸造所や町を実際に自分の目で見て回った時に、琴浦町の人と人との距離が近く、地域の中で醸造している環境にとても魅力を感じて。琴浦町なら、面白いことができそうだなと、この土地を移住先に選んだのも1つの理由です。

渚:まず、パートナーから次の移住先に琴浦町を検討していることを聞きました。それまでは名前も聞いたことのない町だったので、まずはグーグルアースで景観を調べてみると海岸沿いの景色の美しさに驚きましたね。なにか新しい物語が始まるような、ワクワクと胸が高鳴る気持ちになったことを今でも覚えています。それから移住を視野に琴浦町にはじめて訪れた際、丁寧に町のことを案内してくださったのが、役場の移住担当者さんと移住アドバイザーさん。移住する上での手続きや町の説明をしてくださったとき、とてもフレンドリーに接していただきました。「琴浦町にようこそ!」って、わたしたちを温かく迎えてくださる感じがして、移住への心配がなくなったんです。わたしにとって、はじめて琴浦町に来たときに、はじめて出会った琴浦町民さんがそのお二方だったので、2人の人柄の良さが町の印象の良さにも繋がりましたね。その2点が決め手になり、パートナーとの移住を決意しました。

移住先を琴浦に選んだからこそ、生まれたビールはありますか?

裕貴:数種類のクラフトビールを取り扱っていますが、その中でも「無双(むそう)」、「紡(つむぐ)」、「白(びゃく)」の3種類はこの土地だからこそ、生まれたビールですね。まず、「無双」にはオーナー嶋崎さんが梅津酒造さんからご提供いただいた、みりん粕を使用しているんです。みりん粕の活用を考えている中で思い切ってビールの原料に使ってみたところ、コーヒーのようなローストした香りが口いっぱいに広がりつつ、最後にふわっとみりん粕の甘い香りが抜けるような風味を生むことができました。みりん粕を使用したビールは調べる限りほかでは見つけられないので、もしかしたら世界初のビールかもしれないですね。そんな面白いビールが作れたのもぼくがこの琴浦町に移住をして、オーナー嶋崎さん、梅津酒造さんのご夫婦にとてもよくしていただいている、この御縁のおかげだと思っています。まさしく、ここじゃないと生まれなかったビールですね。

同じように、紡も町内の農家さんから買い付けた桑の葉を、白には大山乳業さんの脱脂粉乳を使用しているんです。県内外のビール販売のイベント会場では同業者から、チャレンジングな商品を作っていると、かなり注目を浴びました。醸造に欠かせない水も琴浦町のものを使っているので、おいしさに繋がっていると思いますね。

 

徳万尻日乃本麦酒の商品について、詳しくはこちらをご覧ください。

琴浦町の住み心地はいかがですか?

裕貴:住み心地は最高ですね!特産品が多いのが住んでいて嬉しいです。ぼくは中でも琴浦グランサーモンが好きで。あまり脂っこいのは苦手なんですけど、琴浦グランサーモンはさっぱりしていておいしいんですよね。あとは「※BUYコトウラ運動」がすごくいいです!「鳥取県のものを食べよう」といった、ただの地産地消じゃなくて。乳製品や東伯牛、新鮮な魚に野菜も、ちゃんと地物があって、特産品に恵まれている琴浦町にあるものを食べよう、っていう働きが魅力的です。この町に住んでいるんだっていう感覚を持つことができますし、地物だけでもご飯が作れたり、琴浦町は食の選択肢の多さが魅力ですね。

※BUYコトウラ運動とは地域内の経済を活性化させることで琴浦町民の生活を向上させる運動。町内のお店でお買い物をする、町内の飲食店を利用する、町内の企業の商品を贈答品に使ってみる、など。

渚:移住するまでは買い物や遊びに行くのも、もっと不便な場所だと思っていました。でも、実際に住んでみてからは、なんでも揃っていて、そんなことはなかったなって!これまで暮らしてきた場所ではリフレッシュするときに高価な物を食べたり映画を見に行ったり、お金を使うことで発散をしてきました。でも、今はまったりと海を眺めたり、大山に登ってみたり、休日の過ごし方が変わってきましたね。海でも泳ぐタイプではなかったので、近くても恩恵は受けないかと思っていましたが、海を眺めているだけでもこんなに心癒やされるんだなぁって…すごく驚きましたね。

これから琴浦で何がしてみたいですか?

裕貴:琴浦町に貢献できるビールを作りたいと日頃から思っています。いつかは町民に認められる存在になって、「琴浦」と名の付くビールを作りたいです!現在は酒房 銀と道の駅琴の浦で購入ができるんですけど、ぼくの醸造したビールが町内の飲食店やスーパーならどこでも買えて、味わえるようになりたいですね。

渚:わたしたちが醸造しているクラフトビールは、盛り上がっている業界では盛り上がっているけれども、まだまだ一般的ではないんですね。値段も決して安くはないので、普通のビールよりもわたしたちのクラフトビールを選んでもらえるように、魅力を伝えていきたいです。

渚さんは琴浦町の名前に思い入れがあるのだと聞きましたが

渚:琴浦って語呂が好きなんです。音の響きがかわいくて、積極的に言いたくなっちゃうんですよね。ひらがなでもカタカナでも。漢字なら、しとやかできれいなイメージがあって。そういう意味でも「琴浦」と名前のつく商品は、全国的に人気が出る気がするんです。

これから琴浦町に移住を検討されている方に一言!

渚:琴浦町は町民の皆さんが、移住者が来ることに馴れているイメージがあります。移住者が増え続けていることから、「またか」みたいのが逆にいいなと(笑)町民の皆さんが移住者のことを把握されていて、その情報を共有してくれるのがありがたいです。移住者に対しての馴れがあるので、「よそ者」って警戒されないのが、移住者としては過ごしやすい環境ですね。わたしは移住するまで町に2~3人しか移住者っていないのかなって思っていたんですけど、実際に住んでみると「わたしも移住者です」とよく話しかけてもらえることに驚きました!こんなに移住者がいるんだよって、これから移住を検討されている方に伝えたいですね。

裕貴:お店にいるとよくお客さまから「どこから来たの」「またか」って、本当によく言われます(笑)移住者が多い分、移住者同士でも交流する機会がありますし、横の繋がりも多いので安心感がありますね。移住者がいっぱいいるので、孤立しないと思います。町の人も移住者も、頑張っている人が多い町です!これからもっと良くなる、自信を持って移住先におすすめできる町です。