令和7年度 琴浦町施政方針

2025年3月5日

令和7年3月定例議会(令和7年3月3日)でありました

福本まり子町長の「令和7年度琴浦町施政方針」は次のとおりです。 

 

 

 本日、令和7年度当初予算案をはじめ、関係諸議案を提案させていただくにあたり、新年度に臨む私の所信及び町政運営の基本方針を申し上げ、町民の皆様及び議員の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと思います。

 

はじめに

 令和4年の町長就任以来、「人に優しく、環境に優しい、まちづくり」を目指し、町の課題に取り組み、まちづくりビジョンなどに掲げた町の将来像の実現に向けて邁進してまいりました。

 我が国は、人口減少、少子高齢化、そして地域経済の停滞といった課題に直面しています。

 地方創生の取り組みが始まって10年が経過しましたが、東京一極集中の流れはコロナ禍で一時は動きが鈍ったものの、依然として歯止めがかかっていない状況です。

 国においては、「地方創生2.0」を起動させ、それぞれの地域の経済・社会のまだまだ眠っているポテンシャルと、これらを支える人材の力を最大限に引き出す政策を強化することとしています。

 これらの国全体の課題は、当然ながら琴浦町においても例外ではありません。特に、人口減少と高齢化は、本町の将来を左右する喫緊の課題であり、その現状と課題を整理し、施策に取り組みます。

 

 

本町を取り巻く諸課題

 

人口減少と高齢化

 人口減少と高齢化は全国的な課題ですが、琴浦町は、過去には鳥取県内の町村レベルで最も人口が多かった時代もありましたが、県外に加えて県内市町村への人口流出も加わり、町村レベルで2位に転じています。令和7年度には、国勢調査が実施されますが、前回調査よりさらに人口減少の問題が顕在化することが危惧されます。

 出生数については、令和6年は63人となっており、前年に比べて18人少なくなるなど人口減少がより急速に進むことが確実視され、また、高齢化率は、平成27年の国勢調査時の34.4%から令和2年には36.8%と2.4ポイントの上昇となっており、直近の住民基本台帳では38.6%とさらに1.8ポイント上昇しています。

 

地域コミュニティの弱体化

 人口減少と高齢化は町民の身近なコミュニティである自治会の存続にも影響を与えています。自治会は、これまでの地縁のつながりにより地域を支えてきましたが、超高齢社会により役員の負担、なり手不足は深刻となっており、地域コミュニティを支えることは行政として重要な課題になっています。

 

産業・経済の衰退

 本町の主要国道9号線沿いの店舗閉店や工場の閉鎖が続く中、地域経済や町民の雇用、生活への影響も懸念されるところです。人材確保のためには、賃上げが不可欠です。しかし、地方企業は、経営体力が脆弱なため、大胆な賃上げに踏み切れない状況です。このため、優秀な人材を都市部の大企業に奪われ、ますます人材不足が深刻化するという悪循環に陥ることも危惧されます。

 このような中、現在、町民の生活は、賃上げがエネルギーや食料品などの物価上昇に追いつかず、家計が圧迫されています。

 

防災対策

 琴浦町特有の課題として、急傾斜地を有していることから土砂災害が発生しやすい地理的な条件があります。気候変動による雨の降り方は集中化、激甚化する中、町民の命と財産を守るためにも優先的に取り組まなければならない課題となっています。

 

公共施設の老朽化(更新)

 高度経済成長期に建設した公共施設が更新のピークを迎えており、人口減少社会において、延床面積の削減に向けた取り組みを加速させなければなりません。昨今の物価、建設資材、賃金の上昇により、公共施設の更新費用は公共施設等総合管理計画、これに係る個別施設計画の策定当時よりも増大しており、更新計画の見直しによる延床面積の縮減を一層推進することが必要となってきています。

 

町政運営の方向性

 琴浦町は豊かな自然に恵まれた町ですが、人口減少や高齢化など、他の多くの自治体と同様の課題を抱えています。特に進学を契機とした若年層の人口流出は避けられない中、多様な働き方や価値観に合った個性的な地域を創造することが必要となってきます。

 まだまだ眠っている町のポテンシャルと地域経済・社会を支える人材の力を最大限に引き出し、若者に選ばれる職場や暮らしを実現するとともに、都市と地方の新たな結びつき・人の往来の円滑化に挑戦していく必要があります。

 また、昨年元旦の能登半島地震を受けて、災害に対する備えの必要性を改めて強く認識させられました。町民の生命と財産を守るための災害への備えは最優先事項として、取り組まなくてはなりません。

 昨年、中四国地方で第1号となるプラスチック再商品化計画の大臣認定を受け、令和7年10月から実施するプラスチック分別回収に向けて大きく前進しました。

 この取り組みは、環境保護だけでなく、プラスチック製品の原料消費と処分にかかるエネルギー消費の削減に繋がるものです。甚大な被害をもたらす異常気象などの気候変動問題の解決へ貢献するものとして、この取り組みに共感する人が琴浦町に関心を持ってもらうことも期待するところです。

 インフラ、公共施設の老朽化については、更新時期を一斉に迎えており、人口減少時代にあって、施設の統廃合や広域での共同利用などの多様な手法の検討を行なっていなかくてはなりません。

 人材確保の難しさや物価高騰という厳しい経営環境の中であっても、諸課題への対応を行なっていく必要がありますが、収入である税は増収が見込みにくい状況下にあります。行財政改革は、行政運営において「経営」という視点で見直すきっかけとなっています。限られた経営資源を最大限に活用し、効率的な行政運営を行うためには、コスト意識を持ち、成果を重視する姿勢が重要です。諸課題に立ち向かうため、事業の選択と集中を行い、最小の経費で最大の効果を上げるよう努めることで、持続可能な町政運営を行なっていかなくてはなりません。

 

 

令和7年度当初予算案の概要

 以上のような課題認識のもと、令和7年度は、町民一人ひとりの幸せと活気あふれる琴浦町を実現するとともに、若者たちにも選ばれるまちとするため、「まちづくりビジョン」、「総合戦略」で掲げた将来像の実現を加速化するための予算を編成しました。

 具体的には、令和6年度に引き続き、「人を大切に」「地域の輪を広げる」「輝く産業、経済の強化」「壊さない環境、活かす施設」の4つの柱を重点に施策を展開してまいります。

 特に、子育て支援と教育環境の充実、持続可能な地域・まちづくり、地域産業の振興、そして役場の機能強化や人材強化に重点的に取り組む予算としております。

 変化の速度が速い時代において、従来のやり方では通用しなくなるケースが多く発生することが考えられます。そのため、これまでの慣行にとらわれず、社会や経済など実態に対応した施策を展開していきます。その際には、これまでの長期計画などの見直しも視野に入れ、果敢に挑戦していきます。

 また、持続可能性を追求し、町民意見を丁寧に拾い施策に反映していきます。とりわけ、緊急性の高いもの、人命や町民生活に直接影響を及ぼすものなど、その優先順位を見極め積極的な施策展開を図っていきます。

 誰もが参加し、協力できる環境を整え、町民が一丸となって「誰もが元気なまち琴浦町」の実現を目指します。

 

1.人を大切に

 未来を担う子どもたちの育成に力を入れます。安心して子どもを生み育てられる環境を整備するため、子育て世帯への支援として、小児医療費無償化、こども園における紙おむつ定額制サービスの負担軽減などを実施します。また、子育てに関する相談や支援を充実させるため、「こども家庭センターすくすく」を設置し、母子保健機能と児童福祉機能の重層的支援、相談をより効果的に進めます。

 教育の面では、各小中学校の特色を活かした地域を題材としたふるさと教育を推進するとともに、コミュニティ・スクールの取組による地域に根ざした教育環境と子どもの特性に合わせた教育を進めてまいります。国際理解と感覚を養うため、台湾との中学生相互派遣交流を実施いたします。

町民が健康で笑顔があふれる町とするため、帯状疱疹ワクチン予防接種、従来よりも積極的に対象者へアプローチする出張がん検診などの取り組みを開始いたします。

 さらに高齢化社会に対応するため、電力データを用いたAIによるフレイル早期検知事業や、地域包括支援センターを中心に介護予防教室の再編を行ない、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支援いたします。

 また、急激な物価高騰に対して町民生活を支えるため、国の定額減税調整給付金による支援に加えて、給食費の公費負担を拡充し保護者負担を据え置く取り組みを継続します。また、1月臨時議会にて令和6年度予算として承認をいただいた、ことうら商品券配布事業を速やかに実施し、町民生活を支えてまいります。

 安全・安心なまちづくりのため、地域防犯活動の支援、特殊詐欺や児童虐待への対策を強化します。また、近年頻発する自然災害に備え、自主防災組織の育成、防災リーダーの養成を支援いたします。

 

2.地域の輪を広げる

 令和7年度に安田地域交流センター(安田の郷)、新ふなのえこども園・成美地区公民館が新たな施設でスタートを切ります。これらの公民館を中心とした地域拠点から地域コミュニティの活性化を図り、地域住民が描くそれぞれの地域性と実情が尊重された将来像の実現に向けて、ハード面の整備をはじめ、行政も連携して取り組んでまいります。

 また、企業版ふるさと納税を活用し「ふるさとまちづくり団体応援交付金」を新たに創設し、地域活性化や地域と協働する団体の活動を支援してまいります。

 さらに地域の魅力を発信するため、鳥取うみなみロードのエイドステーションとして日韓友好資料館を活用したサイクルステーション拠点整備事業に地方創生事業として取り組むとともに、大手飲料メーカーからの寄附を活用した船上山さくらまつり、紅葉フェスの開催などにより地域の魅力を発信し、観光入り込み、交流人口の増加を目指してまいります。

 行政サービスの向上を図るため、DXにも取り組んでまいります。具体的には、窓口における行政手続きの負担軽減を図る「書かない窓口」の運用開始のほか、窓口における定住外国人の方への支援として「文字表示システム」の導入いたします。さらに行財政情報の共有プラットフォームにより情報公開を進め、職員政策コンテストにより発案されたノーコードツールの導入により事務の効率化を進めます。

 

3.輝く産業、経済の強化

 活気あふれる地域経済を維持するため、スマート農業の推進、自給飼料生産緊急支援事業、畜産経営第三者継承事業などの他、海業で浜の賑わい創出事業など新たな取り組みを支援してまいります。また、中小企業ステップアップ支援補助金を事業者ニーズに応じて変更するほか、未来人材奨学金返還支援の対象を拡充し、人材獲得を支援いたします。

 新産業の創出を促進するため、町内で新たにワイナリー事業を行う企業に対して、ふるさと融資、ローカル10000プロジェクト補助金などにより支援を行います。令和8年8月の開業に向けて、検討会の立ち上げなどにより伴走してまいります。

 また、琴浦町のブランド力を高めるため、がんばる養殖支援事業(琴浦グランサーモン)や、全国菓子大博覧会への出展、全日本ホルスタイン共進会への出品を支援するとともに、大阪・関西万博の鳥取パビリオンへ出展し国内外へ情報発信してまいります。

 

4.壊さない環境、活かす施設

 未来へつなぐ豊かな自然環境を目指すため、本庁舎、東伯浄化センターにて再生可能エネルギーの導入を行います。また、赤碕コミュニティセンターは改修から約20年が経過し、施設の老朽化が見受けられることからZEB化する改修に向けた検討を行ないます。

 さらに大臣認定を受け中四国初となるプラスチックリサイクルを推進するため分別回収、そして再商品化を開始いたします。

 全国で頻発する災害へ備え、町民の安全・安心な暮らしを確保するため、避難所資機材を拡充していきます。また設備の老朽化が進んだ防災無線に代わる、新たな防災行政情報伝達システムを導入いたします。

 今ある施設をできるだけ活用して、住民生活をより豊かにするため、遊休財産の活用(カウベルトライアル事業)や、東伯総合公園整備事業(上下水道整備)、東伯総合公園サッカー場整備事業を実施いたします。

 

おわりに

 以上申し上げた方針に基づいて編成した令和7年度一般会計の当初予算は131億6400万円となり、前年度より6億3800万円の増額と、琴浦町において過去最大規模の予算となっております。

 令和7年度は、これらの重点施策を着実に推進し、町民の皆様が安全・安心で豊かに暮らせる持続可能な地域社会の実現を目指します。

 

 以上が令和7年度の町政に臨む私の所信及び町政の基本方針であります。町民の皆さま、議員各位のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

  令和7年度琴浦町施政方針(全文).pdf(449KB)   令和7年度予算の全体像.pdf(207KB)   令和7年度当初予算の概要.pdf(3MB)

    ※予算の全体像と当初予算の概要は議決前のものとなりますのでご承知ください。

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