目線を高く

2021年5月12日

 

 コロナ禍のなか、ワクチン接種予約を始めたところ問い合わせが多く、窓口も対応に追われていますが、この混乱の一因に官僚の能力低下があると思います。先月開校した琴浦熱中小学校で校長先生のお話を聞きながら、納得するものがあったので、紹介したいと思います。

  

 従来、官僚は政治家と一緒に仕事をしている気構えがあったが、この部分の能力が低下することで仕事の質が低下し、いま物事への対応が出来なくなっているという指摘でした。お話の中で、10年前に職員に対して感じていることを下記の図に示され、このことが現実に起こっているとのお話でした。

 確かに、今起こっているワクチン接種問題においても、ワクチンは予防接種法で市町村の役割ですが、国の対応不備を自治体が肩代わりしているように見えます。

 ワクチン供給は、国が輸入して各町村に配布するものですが、何月何日にどの程度のワクチン量が供給されるのか、国は示すことが出来ていません。国が作成した予約システムも不備があり、場合によっては予約を入れても、必要なワクチンが確保できず住民に迷惑が及ぶ可能性もあります。

 また、国は7月末までに65歳以上の接種完了を求めていますが、接種する医師の調整を医師会に任せ、協力する医師数の限界もあるなかで、最後は自治体任せにする状況です。

 以前は、官僚は現場のことがよく理解できないときには、あらゆる機会を使いながら、自治体の状況を把握しながら施策を進めていました。しかし、今は時間に追われ、現場の状況を考える間もなく、依頼文書を出せば仕事ができると考えているようにも思います。

 このようなことから、校長先生の言われた目線を高く持ちながら、施策を執行していただける優秀な官僚になっていただく事を期待したいものです。

 

琴浦町長 小松弘明

 

 官僚制の変化                                                          
過去 現在 未来
  言われる前にやる  言われてからやる   言われてもできない 
  明日の仕事を今日やる   明日の仕事は明日やる  今日の仕事を明日やる
  嫌な仕事も進んでやる   嫌な仕事は渋々やる   嫌な仕事はやらない