安倍晴明と山伏

2020年7月3日

 

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 先日、町内で「安倍晴明と赤碕塔そして山伏松」という講演があり、非常に興味深くお聞きしたのでそのことについて書いてみました。

 

 皆さんは安倍晴明をご存じでしょうか。平安時代の陰陽師として天文学を修め、陰陽・暦算等も兼修し、職神を駆使して占いを行った人物ですが、最近は漫画、映画でブームにもなったようです。私は不勉強で、そのことをあまり知りませんでしたが、今回の講演で次のようなことが判かりました。


 町内の名所である花見潟墓地の東端に高さ約3mの赤碕塔があり、昭和10(1935)に調査の結果「赤碕塔」と命名され、昭和315月に鳥取県指定保護文化財に指定されました。制作年代は鎌倉末期頃とされています。

 

 今回の講演では、この赤碕塔は元禄7(1694)「伯陽六社道乃記」に「晴明たうまん」、安永2年(1772)「伯路記」に「安倍道満晴明ノ墓アリ」との記述があり、2つの塔は安倍晴明と、蘆屋道満の供養塔と考えられる説でありました。

 

 更に供養塔のある場所から少し南に位置する場所に、山伏松という大木の松が戦前までありましたが、現在は石碑だけが残り、そこには「発菩提心」と刻まれています。

  山伏とは山中で修行をする修験道の行者であるが、町内船上山の中にある滝に打たれながら、山伏がここで修行する過程で、この供養塔が建立されたとの説であります。


 人が住み暮らせばそこには文化、歴史があると感じた講演でありました。 

 

                                          琴浦町長 小松弘明