令和2年度 琴浦町施政方針

2020年3月4日

令和2年3月定例議会(令和2年3月4日)でありました小松町長の「令和2年度琴浦町施政方針」は次のとおりです。 

 

 

 元号が令和となり、新たな年度の当初予算を上程するに当たり、琴浦町政の施政方針を示しながら、予算編成、主な予算内容について述べたいと思います。

 

▼はじめに
 平成27年に始まった地方創生は人口減少を問題として、東京圏への人口一極集中を是正するために数々の施策を打ち出し、地方の潜在能力を引き出そうと取り組んでいるものです。
 地方創生を振り返れば、全国的には地方の若者の就業率、訪日外国人旅行者数、農林水産物・食品の輸出額は一貫して増加傾向にあり、一定の成果があがっていると考えます。一方、問題点として、東京圏への転入超過は、2020年の均衡を目標にしていましたが、2018年は13.6万人の転入超過となり地方創生が始まった時点から一貫して増加しており、更なる取り組みが求められています。

 

琴浦町でも第1期琴浦町まち・ひと・しごと創生総合戦略として、
「育む」  (地域の宝である子どもを産み育てやすいまちづくり)
「創る」  (安定した就労環境の整備と魅力あるしごとづくり)
「輝く」  (ふるさとの魅力を誇り、生き生きと輝くひとづくり)
「根づく」 (だれもが健康で心豊かに暮らせるまちづくり)
の4つのテーマで戦略を進めてきました。

 

 これから第2期を迎えるに当たり、第2期地方創生総合戦略を策定し、今後5年間の戦略をスタートするため、第1期の最終年となる今年度は、進捗状況の確認と達成状況を検証しました。

 

▼町民の意見を聴く
 町行政を進める基本は町民の福祉向上であることは、皆が認めるところであります。そこで、その意見集約方法をどのようにすれば良いのかを考えるに当たり、一つの方策として住民の無作為抽出による意見聴取の方法をとりました。
 昨年の「公共施設レビュー」、「事業レビュー」がその取り組みであり、住民基本台帳から無作為で抽出した方にご案内し、町の取り組んでいる項目について、意見をお聞きしました。参加者は普段お勤めの方や町政に対する考えを持っていても、なかなか参加する場面がなく、町の取組を聞くことが少ないなどの意見を持った方に参加いただくことができました。
 また、行政としても普段取り組んでいる仕事について、従来とは異なる手法を用いることで、本来の事業の目的や事業効果、必要経費を改めて点検することができました。
 レビューの成果は、令和2年度の当初予算に反映するとともに、第2期地方創生総合戦略を策定するうえで、また、重点課題を検討する材料として活用させていただきました。

 

▼行財政改革への着手
 次に多くの町民の声を聴く中で、一つずつ実行するには、全ての要求を充足することは困難であり、令和元年度の予算編成時にも掲げた「自立支援型行政」を目指して、施策を進めなければならないと考えています。
 別の言い方をすれば、本町を取り巻く財政環境は、人口減少に伴う労働人口の減少、高齢社会の中にあっては、今までどおりの住民サービスの継続が困難となり、行財政改革に取り組むことが必要と考えました。
 行財政改革は、人口減少時代にあって質の高い住民サービスを維持するため、従来の事業の見直しと公共施設の管理費を圧縮し、歳入と歳出のバランスをとり、将来世代の負担を少なくすることが目的となります。
 そこで、本年度から向こう3年間を集中改革期間として、行財政改革を進めます。持続可能な行政体制を再構築することを目的として、「行財政改革プラン」と実行計画を示した「アクションプラン」を策定し、取り組むこととしました。

 

その内容については、次のとおりであります。

 

▼現状
 琴浦町の基金積立額(貯金の積立額)は、令和元年度当初予算時点で、前年被災した台風24号で財政調整基金を4億8千万円取り崩したことにより、財政調整型の基金は10億8千万円まで減少してしまいました。
 また、地方債残高(借金の残高)は、ピークを超えたものの、平成30年度決算時点で地方債残高は134億4千万円と依然として県内町村の中でも最も多額となっています。
 また、毎年の借金返済額(予算上の公債費)は約15億円と高止まりが続き、財政を圧迫しています。

 

▼推進体制
 このような厳しい財政状況のなか、町長を行財政改革推進本部長として管理職と専門部署(ワーキングチーム)を編成し、町民委員、外部の有識者、学識経験者のアドバイスをいただきながら、方針プラン、実行計画(アクションプラン)を策定し、取り組むこととしました。
 このように、補助金や負担金などの見直しの検討には、町民から直接評価をしていただく「事業レビュー」を採用しましたが、この取り組みを3年間は続けていきたいと考えています。

 

▼行財政改革プラン
 プランの基本理念は前述したように、必要な住民サービスを継続するために3つの基本方針をあげています。

 

1 情報共有の徹底
 町民に税金の使い方への関心を高めていただく事は、住民サービスの質の向上には重要な項目であり、町民のニーズを把握するためにも広報、広聴機能を充実することが必要です。また、場合によっては、行政が主に担ってきた部分を町民参画でお願いすることもあり、そのためにも町民との情報共有は必要と考えています。

 

2 財政構造改革
 町民のニーズの多様化、高度化に適切に対応するため、これまでの手法、体制を見直し、効果的・効率的な歳出・歳入構造を構築し、次世代に健全な財政基盤が継承できるよう構造改革を行います。
 具体的には、地方債残高の縮減、負担金、補助金の適正化、事業の見直しなどであります。歳入を確保することと、公費負担の適正化を図るうえで、利用者負担の見直し検討もすることとなります。
 また、公共施設の管理においても「うまく小さくして、質を高める」ことを基本に、公共施設の長寿命化(更新、廃止)を図っていきたいと考えています。町民の方々には、痛みを伴うことをお願いする場合もありますが、このことを進めるうえでも客観的データ等の情報の共有は大切だと考えています。

 

3 行政体制改革
 社会情勢の変化に伴い、多様化する行政課題へ的確に対応するためには、役場組織が肥大化することは許されず、多くの分野で行政が直接担ってきた役割を見直して、民間との協働、民間活力の導入を図ります。
 そのためにも、常に組織改革、職員配置の適正化、人材育成及びICT(情報通信技術)など先進技術を取り入れながら、事務効率化を図る不断の改革を進めていきます。

 

▼第2期地方創生総合戦略の策定
 多くの住民の声を聴く場として、昨年11月16日、24日の2日にかけて延べ140人の様々な年齢層の方にご参加いただき、「ことうらの未来」を語っていただく「ことうら未来カフェ」を開催しました。
 これをスタートとして、役場職員が一丸となって「第2期琴浦町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定し、有識者で構成する地方創生推進会議のご意見をいただきながら、最終素案に対する意見公募を行い、この3月中には最終決定する予定としています。

 いずれにしても、令和2年度の当初予算は地方創生の更なる推進を図りながら、多くの町民の声を聴き、「持続可能なまちづくり」を進めていきたいと考えています。
厳しい財政をやりくりするためには、歳入を多くすること、歳出を圧縮することを基本と考えますが、そのことで将来の住民の福祉の向上を阻害しては、正に、元も子もないことになってしまいます。
 ここは、家計でいうやりくり上手が求められるところと考えられ、知恵の出しどころだとも思います。


 今後とも議員各位、町民の皆様からの多くの意見と知恵をいただき、邁進してまいりますので、ご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 

令和2年度琴浦町施政方針(全文).pdf(179KB)

令和2年度琴浦町一般会計当初予算の概要.pdf(757KB)

令和2年度琴浦町一般会計当初予算の主要事業.pdf(4MB)

  ※概要と主要事業は議決前のものとなりますのでご承知ください。

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