新指定文化財をご紹介

2016年8月4日

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○鳥取県指定保護文化財

「光德寺文書」

光德寺文書は、曹洞宗亀福山光德寺の伝来文書です。

光徳寺は、洗川右岸丘陵に位置し、永享元年(1429)に退休寺(大山町退休寺)三世無余空円が、既存の天台宗寺院寺院を現在地に移転し、曹洞宗に改宗したと伝えられています。出雲尼子氏との結びつきの深さを物語る伝承が残されている点に、大きな特徴があります。

保護文化財に指定された光德寺伝来の中世文書10点をはじめ、光德寺に良質な出雲尼子氏関係史料が残されています。なかでも、永禄12年(1569)11月13日尼子勝久安堵状は、雁皮を用いた大判の料紙で、右筆の手も優れています。県内の一ヶ所に伝来した中世文書としては点数も多く、とりわけ戦国時代の伯耆国にさまざまな影響をおよぼした出雲尼子氏関係の史料群としても、貴重なものです。

 (指定年月日:平成28年4月26日)

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指定書授与

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○琴浦町指定保護文化財

「逢束古墳(双子塚古墳)出土の銅鏡(方格規矩鏡)」

古代の銅鏡は、弥生時代や古墳時代の有力者の墓から多く出土しています。墓の副葬品や祭祀、呪術に使われ、権威の象徴として取り扱われていました。

逢束古墳(双子塚古墳)出土の銅鏡(方格規矩鏡)は、中央の紐のまわりに正方形の区画(方格)があり、方格の四辺の中央から外側にT字形の文様、周縁から内側に逆L字形とV字形の文様があり、紐と周縁の間に様々な動物等が鋳出され、その中心となるのは四神とよばれる霊獣です。周縁には鋸歯文、外区には唐草文状の文様が巡っています。

方格規矩鏡の文様は、古代中国の世界観にもとづく宇宙の構造を模式的に表したものと言われています。

県内では4例しか出土がなく、逢束古墳からは2内の銅鏡が出土しています。1枚はこの方格規矩鏡であり、もう1枚は東京国立博物館が所蔵しています。

(指定年月日:平成28年2月1日)

お問い合わせ

社会教育課
学芸文化係
電話:0858-52-1161
ファクシミリ:0858-52-1122