広報ことうら168
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歴史浪ろ漫まん ~どこにあった? 国宝の鐘~ 福岡市早良区内野の西さい光こう寺じに全国で5番目に古い梵ぼん鐘しょう(国宝)があります。その梵鐘の銘文には、「承じょう和わ6年(八三九年)に鴨かも部べが伯ほう耆き国こく金こん石じゃく寺じの梵鐘を造立した」とあり、もとは「伯耆国金石寺」にあったことが記されています。 この金石寺が伯耆国のどこにあったのかについては、さまざまな想定がされています。平安時代より山岳仏教の聖地であった船上山もその候補のひとつです。 「分ぶん限げん記き」には、「宮ヨリ乾方寺跡有リ金石寺有之、今堂寺共ニ無之事」とあり、山頂に金石寺という寺院があったことをうかがわせます。 しかし、『和わ妙みょう抄しょう』に会見郡鴨部(現在の南部町鴨部)が見え、そこを金石寺の所在とする説(「山陰の古寺」下村章雄)や、鴨部は後世の小鴨氏であり、賀かもの茂朝あそん臣と称した南条氏と関係があるのでは(倉吉市史)など、未だ謎とロマンを秘めた鐘です。山を歩こう船 上 山後醍醐天皇を引き寄せた神秘の山 平安時代の初期から山岳仏教が栄え、大山、三徳山とともに「伯耆三嶺」と呼ばれる修験道の聖地でした。 また、元弘の乱により隠岐へ配流となった後醍醐天皇が、一三三三年に隠岐を脱出して名和長年に奉ぜられ、船上山合戦に勝利し「建武の新政」の礎となった歴史の山でもあります。横手道からは遠く  日本海まで一望千丈のぞき最高のスリルがここに!歴史の香り漂う 船上神社運がよければ、 野うさぎに出会えるかも…カヌーや谷川探検などアクティビティーも満喫できちゃうことうら 2018. 85

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