広報ことうら160
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私は、平成16年から琴浦町文化財保護審議員として活動し、文化財の保護や活動などに携わっています。 私たちの暮らしている町で、長い歴史のなかで生まれて、育まれ、人々から大切に守られてきた文化財。自分が、その文化財を未来に伝えていく一助となれることに、喜びと誇りを持ち、日々の活動を行っています。 今回、斎尾廃寺跡より出土した土器から、当時の寺院名が分かる新発見がありました。琴浦町の文化財という宝に、新たな発見があったと聞いたときは、本当に嬉しかったです。 見つかった土器は「八寺」と略したものが出土したと聞いています。今回の発見は略したものでしたが、今度は略されていない「八橋寺」と名前が書かれた土器が出てきたらいいなと思っています。 また、今後の調査で、仏具など、お寺にちなんだ道具なども出土することを期待しています。 このたびの発見をたくさんの人に知っていただき、斎尾廃寺跡を含めた、琴浦町の文化財について興味を持っていただきたいと思います。しかしながら、斎尾廃寺跡だけのアピールでは印象が薄くなってしまいます。大高野官衙遺跡を含めた整備活用を行っていくことができれば、インパクトがあるのではないかと思います。もちろん、大高野官衙遺跡だけではありません。加勢蛇川右岸には、伊勢神宮との関わりがある「方見神社」があります。大高野遺跡や斎尾廃寺跡、方見神社や周辺の立地など、いろいろな見どころを併せて、魅力ある方法で広報すると、多くの人に関心を持っていただけるのではないかと思っています。 また、斎尾廃寺跡を整備する際は、基壇などの復元をして、訪れた人が当時の状態をイメージしやすいようにして欲しいと思っています。 文化財を未来に伝えていくため、琴浦町文化財保護審議会としても、積極的に文化財について知らせていきたいと思います。そして、今回の斎尾廃寺跡の新発見をきっかけに、町民の皆さんには、自分たちの町の文化財に誇りを持って欲しいと思っています。 琴浦町の文化財を      誇りに思って欲しい   琴浦町文化財保護審議会会長           岩田 弘 さん今後の斎尾廃寺跡の保存活用 これまで、琴浦町では斎尾廃寺跡を町内外の皆さんに知っていただくため、さまざまな取り組みを行ってきました。歴史民俗資料館の展示、斎尾廃寺跡のパンフレットの作成、斎尾廃寺跡の復元映像の作成などを行い、たくさんの人に見ていただける機会を設けました。また、60歳以上の町民を対象にした寿大学の教養コースでは、斎尾廃寺跡の見学などを行っています。さらに、町内小学校では、地域学習の一環として、歴史民俗資料館で、斎尾廃寺跡について学習しました。 地元では「白鳳の郷地域活性化協議会」が設立され、斎尾廃寺跡などの史跡や文化財を巡るガイドマップの作成、観光案内板の設置、ウォーキングイベントの開催など、史跡を生かした地域活動を行っています。 現在、琴浦町では、特別史跡斎尾廃寺跡や史跡大高野官衙遺跡を、今後どのように次の世代に残していくか、そして、どのように活用していくかを、有識者や地元代表者とともに検討中です。平成16年、琴浦町文化財保護審議会の会員として活動を始める。会長に就任し、文化財の保護活動を中心に取り組む。H29.12.18H29.12.1特 集 史跡ロマン斎尾廃寺跡の大発見

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