広報ことうら155
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サーモンはみんなの人気者 サーモンは世界的に人気の高い魚種です。先進国での健康志向の高まりや、嗜し好こうの変化、また生産効率の良さやさまざまな料理に合う味覚など、現在では世界のあらゆる地域でサーモンが広く普及しています。 また、国内のサーモン人気も同様で、ある調査によると「人気のすしネタランキング」では、マグロを抜いてサーモンが連続1位になるなど、人気も需要も年々増加の一途をたどっています。 近年のサケマス類国内流通量は、年間約60万トンにもおよび、養殖はそのうち6割以上を占めています。しかし、そのほとんどが輸入物の養殖サーモンでまかなわれ、国内養殖にいたっては、全流通量の3%ほどと、国内養殖サーモンの高い需要に対し、国産品の供給が圧倒的に足りていないのが現状です。成長産業であるサーモン養殖 このようなサーモン人気の中でも国内養殖サーモンは、品質の高さや鮮度の良さ、ブランド性が評価されています。 現在県内でも、弓ヶ浜水産の「境港サーモン」が順調に生産を伸ばしており、県内外で高い評価を受けていますが、鳥取林養魚場でも、こうした「国産サーモンブーム」の拡大に一役買うことになります。新たな出発、鳥取県へ初めまして、鳥取林養魚場の萩原です。このたび鳥取林養魚場の代表取締役に任命され、今年の1月末に東京から琴浦町に引っ越してきました。実は、生まれも育ちも東京都のため、これまで38年間他の都道府県で暮らしたことが一度もありませんでした。そのため、琴浦町に引っ越すことがとても新鮮で、楽しみにしていました。引っ越してきた当日は、とにかく雪が多くて驚きました。そのような大雪時に、親会社の社員が徹夜作業で発眼卵を成田空港からトラックで運んだのですが、もし休憩をとっていたら雪の影響で交通網に遅れが出てしまい、卵の大半が傷んでしまっていたと思います。今思えば、波乱の幕開けでした。さまざまな問題と格闘する毎日琴浦町に東京都から単身で来たことに加え、私自身、全く別の業界からの挑戦であったため、養殖の経験が乏しく、ギンザケを育てる上で日々積み重なっていく問題と格闘しました。まず、卵を孵ふ化することからはじまりましたが、ようやく孵ふ化し、泳ぎだした時には「ほっ」と安心しました。しかし今度は、稚魚が成長する上で卵とは違うさまざまな問題が出てきました。稚魚が成長していくことは大変嬉しいですが、世界初のシステムを建設しながらの育成であったため、通常よりも問題があり、焦ることの方が多く、ギンザケの卵とともに移住して半年ほどしか経たないのですが、引っ越してきた時のことが大昔のような気がします。最初に大変だったことは、稚魚が孵化器の中で大きくなりすぎてしまい、育てていた容器から飛び出してしまうことでした。資材を購入し、飛び出さないための返しを徹夜で製作した時は、本当に大変でした。それ以外にも、日々大変なことばかりですが、そのたびどうしてサーモンに着目するの?琴浦町のギンザケ養殖には大きな夢と可能性がある輸入養殖72%国内生産28%輸入養殖59%輸入天然13%国内天然25%国内養殖3%国内流通量59万トン天然38%養殖62%資料:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」および財務省「貿易統計」などに基づき水産庁で作成。国内流通における養殖と天然の割合(平成24年)H29.7.16特 集 鳥取林養魚場 始動

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