逢束古墳(双子塚古墳)出土の銅鏡(方格規矩鏡)
2016年3月3日
古代ロマンを映し出す鏡
古代の銅鏡の多くは、弥生時代や古墳時代の有力者の墓から出土しています。墓の副葬品や祭祀、呪術に使われ、権威の象徴として取り扱われていました。また、方格規矩鏡の文様は、古代中国の世界観に基づく宇宙の構造を模式的に表したものと言われています。
逢束古墳(双子塚古墳)出土の銅鏡(方格規矩鏡)は、中央の紐(ちゅう)のまわりに正方形の方格(区画)があり、方格の四辺の中央から外側にT字形の文様と、周縁から内側に逆L字形とV字形の文様があります。紐と周縁の間には様々な動物などが鋳出されていますが、その中心となるのは四神とよばれる霊獣です。周縁には鋸歯文、外区には唐草文状の文様がめぐっています。
県内では4例しか出土しておらず、逢束古墳(双子塚古墳)からは2枚出土しています。1枚は琴浦町歴史民俗資料館(琴浦町生涯学習センター内)に展示してあり、もう1枚は東京国立博物館が所蔵しています。